『麻雀 新世代の戦術革命』 ネット世代が革命を起こした麻雀戦術の「今」を凝縮した一冊! バビィこと、馬場 裕一 (著)
5/15に注目の本が発売されました。その名も『麻雀 新世代の戦術革命』。結論から言うと、この本「熱いコラムがあってオススメ」です。(最近、麻雀を覚えた友達へのプレゼント用に、思わずもう1冊買ってしまいました。)
30年以上、麻雀業界に携わってきた馬場プロだから書けた一冊。コラムでは、若手麻雀プロへの熱い提言も!
Amazonの内容紹介が、良くまとまっているので、まずは、こちらをご紹介。
■ 内容紹介
ネット世代が革命を起こした麻雀戦術の「今」を凝縮した一冊!!
現在の麻雀戦術を見渡してみると、小倉プロ、渋川プロを中心とした若手がデジタル、合理的思考を武器に、これまでには考えられなかったような手筋や考え方を次々に編み出している一方、昔ながらの手作りや流れを重視している方もおり、非常に混沌としています。
では一般の麻雀ファンはどうしているかといえば、各種麻雀媒体やネット上でさまざまな戦術論が飛び交っている中、部分的に見聞きした戦術を採用しているが現実ではないでしょうか。
本書はそんな激動の麻雀界において羅針盤となる一冊。
ベテランプロ、中堅プロ、若手プロ…すべての世代の麻雀を見てきたバビィが現代麻雀戦術の地図を描き出します。
リーチの判断、仕掛けのタイミング、理牌や引っ掛けに対する考え方、子の第一打ダブ東切り、好牌先打の是非。以前と現在の違いを明らかにし、その裏にある考え方にも迫ります。もちろん、バビィならではの巧妙な語り口は健在で、麻雀年代記という読み物としても十分楽しめる一冊、まさに麻雀伝道師、バビィにしか書けない内容といえるでしょう。ぜひ本書を読んで自分の麻雀戦術を見つめ直していただき、「今」の麻雀を体得してください。
さて、新旧世代の戦術の違いについては、目次のトピックを見てみましょう。
■目次
- 第一章 バビィの古今戦術の比較
- その1.ピンフのみはリーチかヤミテンか
- その2.タテの重なりを捕らえる
- その3.奇天烈な仕掛け
- その4.理牌に対する考え
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (1)』
- その5.モロ引っ掛け
- その6.子の第一打ダブ東
- その7.トップ目の戦略
- その8.後付け先付け
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (2)』
- その9.外に伸ばす?内に寄せる?
- その10.好牌先打の良し悪し
- その11.捨て牌読みは守備か攻撃か
- 第二章 世代対決-実戦編-
- 対局者紹介
- 世代対決実戦編1
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (3)』
- 世代対決実戦編2~4
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (4)』
- 世代対決実戦編5~8
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (5)』
- 世代対決実戦編9~10
- 対局を終えて
- ★バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語 (6)』
本文は、横書き。読みやすい構成で、内容確認に役立つ何切る問題もあります。
「局の前後の因果関係」「モロ引っ掛け」「役牌の先切り」「ヒンフのみのリーチ判断」など、新旧世代で「具体的に、どの戦術が違うのか」内容や考え方の違いが分かる一冊です。
前書きは、かじやんこと、麻雀博物館研究委員・梶本琢程さんが担当。その中で、こんな記述がありますが、
「今の流行だから」といって盲目的に受け入れるのは却(かえ)って危険だ。新旧世代の戦術の違いを理解し、美味しいところだけ取り入れるのが賢明なやり方ではないだろうか。
うーん、まさにその通り。ちなみに、僕は、かなり旧世代に近い考え方だったんですが、読んでみてもうちょっと仕掛けを試してみようかなと感じました。この本で、いろいろな麻雀戦術を理解すると、雀力アップにつながると思いますよ。
第二章は、世代対決-実戦編-として、旧世代の2名と、新世代の2名が、半荘1回を戦う内容を収録。第一章の復習にもなっていて、(ボリュームが、やや多すぎな印象でしたが)実践形式で分かりやすかったです。
バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語』が充実!
この本、もうひとつオススメなのが、馬場プロの熱い想いが詰まった、バビィの麻雀コラム 『麻雀プロの今昔物語』が充実している所。
一部抜粋すると
僕が若手プロだったころ、つまり今から30年ぐらい前ですが、麻雀プロ業界はそれはそれは大変な世界でした。
多くの有能な若手プロが夢破れ、次々と麻雀プロ業界から去っていきました。
僕が若いプロの皆さんに期待したいのは、もっとマーケットを拡大することと、社会的認知度を上げること、この2点に尽きます。
現在のプロ麻雀界は一部の売れっ子プロを除いて、麻雀だけで食べていく事は大変厳しいのです。
とにかく「麻雀ファン」と「麻雀プロファン」を増やし、かつ麻雀の持つ悪いイメージを払拭していかない限りは、理想の世界を創造することなど夢のまた夢なのです。
しかし時代は変わりました。昔と違い今は、セルフ・プロデュースがそんなに難しくない、とても恵まれた環境にあるのです。
問題なのは「タイトルを獲りました」。ただそれだけでは何の効力も発揮しないということです。
麻雀ファン、あるいは麻雀プロファンは、プロの麻雀に何を求めているのか。結論から先にいってしまえば、それは「○○・△△」なのです。(こちらは、本書P222でご確認ください)
こういった提言が充実。麻雀ファンには、非常に興味深い内容で、馬場さんの「麻雀愛」や「プロ意識」が伝わってきました。読んでいた方は、あまりいないかもしれませんが、麻雀専門誌の『麻雀界』で、以前、『バビィの「プロ論」』という、素晴らしい連載がありました。こちらも、本書のコラムと通じる、熱い内容でオススメだったんですけどねぇ。
(2013/05現在、発売中の『麻雀界』に、馬場さんの連載は無いですが、5月発売の最新号から、「井出洋介プロの半自叙伝」「カジノ法制と風営法を巡る論争」という興味深い連載が始まりました。コアな麻雀ファンは麻雀専門誌の『麻雀界』もオススメです。)
巻末プロフィールには、正装姿(?)の写真も^^ 全体的な内容としては、本文は「初中級者向け」、コラムは「若手プロ」向けと言った所で、読みやすい分かりやすい文章ですね。
以上、この『麻雀 新世代の戦術革命』、企画のコンセプトが良く、ネットの反応等でも、注目度が高いと感じます(ただ、上級者向けの戦術を期待していた方には、あまり響いていないようですが・・・。)馬場さんの本、何冊も出てますが熱いコラムもあって、個人的には、この本が一番オススメです!