ヒサトの勝負論 『人生勝たなきゃ意味が無い』 佐々木 寿人(著)


  人気若手雀士の佐々木 寿人プロの著書『人生勝たなきゃ意味が無い』が発売になりました。今回の新刊は、麻雀戦術書ではなく、いわゆる「ビジネス書」や「自己啓発書」と言ったもの。読みやすい新書で、ヒサトプロの熱い「勝負論」「人生論」が味わえます。

『人生勝たなきゃ意味が無い』 佐々木 寿人

佐々木寿人サイン

 

ご本人に貴重なサインも頂きました(^_^)/ デザインも格好よく、読みやすいので、普段こういった本を読まない人にも、お手に取って欲しい一冊です。内容を詳しくご紹介すると・・・

 

■ 内容紹介

 勝利の大切さはすべて麻雀が教えてくれた。歌舞伎町の雀荘メンバー時代から「無敵のストリートファイター」と怖れられ、プロ入り後も猛烈な勢いで昇段し続ける新進気鋭の雀士・佐々木寿人。

他の競技よりも不確定要素が多い麻雀で、なぜ彼はこれだけ「勝ち続けられる」のか? そして守りに入れば勝てる状況においても、なぜあえて「攻め続ける」のか? その根っこには独自の確固たる信念と哲学があった。

即断即決せよ」「どんな状況でも先に攻めよ」「感情を廃して淡々と打て」――。本書は著者が「勝つことの大切さ」「勝つための考え方」について、麻雀を通じて徹底的に論じた初の著書である。麻雀で勝ちたい者のみならず、混迷の時代を生きる現代人へのメッセージでもある。

 

■ デザインが秀逸!

人生勝たなきゃ意味が無い(1)

「背景黒の白字」の部分が多くデザインがカッコイイです。麻雀が全然分からない人の為に、「リャンメン待ち」や「放縦」など、初歩的なものを含めて麻雀用語には全て注釈が付いています。

 

人生勝たなきゃ意味が無い(2)

4つある章の冒頭部には、カッコイイ写真も。

 

人生勝たなきゃ意味が無い(3)

こちらが、基本的な構成。牌姿(麻雀牌の絵)が掲載されている箇所も多いです。

 

内容に関しては、「ここまで麻雀の記述が多いとは思わなかった」というのが率直な感想。麻雀に関する注釈は充実しているものの、麻雀を全く知らない人がどう思うのか、少し気になる所ではあります。

 

■ 雀力アップにつながる記述が満載!

 逆に言うと、麻雀を知っている人には、雀力アップにつながる記述も満載で、かなり楽しめると思います。具体的には・・・

麻雀はつまるところ、打点の高い手を速く作ることが勝ちにつながっていくのだが、そこに行き着くまでの「プロセス」を軽視する打ち手が意外と多い。(P47)

 

大切なのは「この局は攻めずに前に出ない」と決めた場合は、ブレることなく守備に徹することだ。 (P70)

 

私にとっての新しいこととは、自分の引き出しには無い打ち筋や考え方のこと。要するに自分以外の麻雀に対する価値観を知ることである。それを知るためには「XXXXX(※書籍でご確認ください)」。これが一番収穫が多い。(P84)

 

よく対局者からも「ヒサトはまたホンイツかよ」と言われるのだが、何を言われようが、狙いがバレようが、いっこうに構わない。バレやすいというデメリットは、逆に考えれば、狙っていることに気づいた人は警戒してくれるので、捨てにくい牌になるというメリットでもある。 (P98)

 

まず配牌時に決めるべきことは、「アガリに向かうのか。向かわないのか」ということ。配牌を見たうえで、最初に決めてしまうのだ。 (P167)

 

こういった記述。他にも、P120あたりでは、「自分の状態が悪い時にどうするか」について、具体的な3つの方針が紹介されていて、個人的にかなり参考になりました。

ヒサトプロの麻雀に興味を持った方は、著書の『超攻撃麻雀ヒサトノート』『超攻撃麻雀 ヒサトノートX』『ヒサトVS滝沢 麻雀戦術30番勝負』に触れて、より詳細な麻雀戦術をチェックすると良いと思います。

ヒサト 麻雀戦術書

 

 

■ 人生に活かせる、熱い言葉が満載!

 麻雀だけでなく、「勝負」や「人生」に活かせる言葉が満載なのが本書の特徴。こっちが、メインテーマですからね。結婚などプライベートに関する話題もあり、面白かったです。

勝利を目指すにあたって、自分の中でこだわっていることがひとつある。 「即断即決」である。自分の生業である麻雀はもちろん、普段の生活に至るまで、あらゆる局面において即断即決にこだわっている。(P11-12)

 

どんな世界でも生きていくのは容易ではない。それが勝負の世界となると、道は一段と険しい。でも険しい道だと感じるからこそ、歩んでみたくなった。人に認めてもらえたことで、自分を認めることができた。孤独の先に、光が射した。(P40)

 

(競輪選手・伏見さんとの話しに触れて) 一流の勝負師が、独自の勝負論を語ってくれた。「運」は与えられるもの。だが「ツキ」はそれを操る能力がなければ、乗りこなすことができないということだった。はっとした。まさに伏見さん同様、私もツキは操るものだと認識していた。操る能力を、いかに磨いていくかを考えていたからだ。(P131)

 

ゴルフでは「OBを打ってはいけない」と考えながら、ショットを打つとアマチュアなら7割以上、プロでも3割近くはOBを打ってしまうと、トーナメント解説で聞いたことがあった。<中略> 私はゴルフはやらないが、意識の持ち方の話だったので興味深く聞いていた。いっそのこと「OBを打ってもいい」と考えてショットするのが一番いいという。(P136-137)

 

七転八起。そう、七転しても八起すればいい。何度も言うようだが、大切なのは「負けないことではなく、再び立ち上がること」なのだ。それ以外に強くなる方法はない。(P158)

 

勇断」私の大好きな言葉である。私の大嫌いな言葉はその真逆の「優柔不断」。勇断とは、勇気を持ってきっぱりと決断するという意味である。(P165)

 

付き合って間もなく彼女から聞かれた。「結婚する気、あるの?」まさに青天の霹靂。彼女の目は真剣だった。当時の私は結婚自体、想定も予測もまったくしていなかった。覚悟を持って聞いてくれたことは、ずぼらな私でもわかった。(P170-171)

 

何かを得るためには、何かを捨てる。自分が何を得たいのか。それを得るためには何が必要で、何が不必要なのか。(P177)

 

・・・僕は、「赤ペン」や「マーカー」を引きながら本を読む派なんですが、本書は得るものが多く「赤ペン」や「マーカー」だらけになりましたよ。

 

『人生勝たなきゃ意味が無い』 佐々木 ヒサト

 

(「最後に伝えたいこと」の冒頭部)ここまで麻雀の話しを通じて勝利への哲学を語ってきた。いかがだっただろうか。最後に本書でいちばん伝えたかったことをつらつらと述べていきたいと思う。目標を失っている人や一歩踏み出せない人、落ち込んでいる人へのささやかなエールだと思って聞いて欲しい。(P209)

 

巻末に、「最後に伝えたいこと」としてヒサトプロのメッセージがあるんですが、かなり「熱い内容」で必見です。861円とリーズナブルな『人生勝たなきゃ意味が無い』、星海社新書の公式サイトで、40ページほど無料で試し読みができます。ぜひチェックしてみてください!

星海社新書 公式サイト:http://ji-sedai.jp/book/publication/jinseikatanakya.html