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第11回. [序章] ~ 麻雀「プロ」の創生、共生、新生 ~⑪(バビィの新・「プロ論」)
▼ 2023年1月に、写真やイラスト満載の『馬場裕一の見た夢』が発売されています!
[更新日:2024/07/30、公開日:2017/01/01]
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月刊「麻雀界」で連載されていた、バビィの新・「プロ論」。以下、「2016年12月1日発売号」の連載内容を特別に掲載させて頂いています。(太字・色づけ等は当サイトにて付与)
▼▼▼ ここから馬場プロの連載より ▼▼▼
『プロ麻雀界』の元祖
激動の2016年も12月を迎えました。今年の2月に連載を始めて、早くも一年が経とうとしている。
光陰矢の如し、でありますね。
それでは、ここまでの「麻雀界」の流れを簡単に整理しておきましょう。
➀1960年代までは、日本麻雀連盟、日本牌棋院、日本麻雀道連盟などアマチュア麻雀団体が麻雀ファンをリード。
➁1968年、11PMの麻雀コーナーに小島武夫氏が登場。
➂1969年、阿佐田哲也氏が「麻雀放浪記」の連載開始。
➃1970年、週刊大衆が初のタイトル戦「麻雀名人戦」を創設。阿佐田哲也氏、小島武夫氏、主要三団体(日本麻雀連盟・日本牌棋院・日本麻雀道連盟)の代表が出場。
➄ 同年、阿佐田哲也氏と小島武夫氏が麻雀職能(タレント)集団「麻雀新撰組」を発足。古川凱章氏が参加。
➅ 麻雀新撰組がメディアを席巻。
➆ 1972年、古川凱章氏が第三期麻雀名人位に就位。
➇ 1973年、初の麻雀専門誌「近代麻雀」創刊。
➈ 同年、近代麻雀が第1期認定プロを発表。田中健二郎氏、田村光昭氏、三輪洋平氏、青柳賢治氏の4名(田村・三輪・青柳の三氏は麻雀新撰組に入隊)。
➉ 同年、近代麻雀が初のクラス分けタイトル戦「かきぬま王位戦」を創設。
⑪ 1974年、古川凱章氏が弟子を募集。年間順位戦発足。
⑫ 同年、麻雀新撰組解散。
⑬ 1975年、麻雀専門誌「プロ麻雀」創刊。目玉企画として新人選手の発掘を目的とした「阿佐田哲也杯」を創設(プロ麻雀は季刊誌から隔月誌を経て1978年に月刊誌へ)。
⑭ 同年、近代麻雀の姉妹誌「麻雀研究」創刊。
⑮ 1976年、近代麻雀が初のリーグ戦「日本麻雀最高位戦」を創設。
こうして並べてみると、現在のプロ麻雀界のスタートは麻雀新撰組であり、強力な推進役を務めたのが麻雀メディア(専門誌)であったことが改めて判ります。
この流れの中でポイントとなるのが⑫、麻雀新撰組の解散です。当時、多くのファンから熱い支持を受け、順風満帆の活動を続けていた麻雀新撰組が、なぜ解散しなければならなかったのか。
その理由、原因は諸説ありますが、真偽のほどは定かではありません。ただ、ハッキリしているのは、新撰組解散以降、堰を切ったように麻雀のタイトル戦が創られたことです。
ここで⑮から先の流れも記しておきましょう。
⑯ 1977年、麻雀専門誌「ビッグ麻雀」創刊。目玉企画として初のトーナメント戦「新鋭トーナメント戦」を創設。
⑰ 1978年、プロ麻雀が「雀聖戦」を創設。
⑱ 同年、ビッグ麻雀が「ビッグプロ十傑戦」を創設。
麻雀専門誌が四誌(近代麻雀・麻雀研究・プロ麻雀・ビッグ麻雀)あり、タイトル戦が七つ(名人戦・王位戦・最高位戦・阿佐田哲也杯・新鋭トーナメント戦・雀聖戦・十傑戦)もあるという状況。
特に新選組解散以降、その現象が顕著となりました(専門誌三誌創刊、タイトル戦五つ創設)。
これが何を意味しているのかというと、当時の業界関係者の皆さんが示し合わせることなく暗黙のうちに、麻雀界を「実」の世界に変えよう、という夢や理想を描いたということなのです。それまで博打の一種として扱われ、イメージの悪かった麻雀というゲームを、囲碁や将棋の地位にまで引き上げたい。「虚」ではなく「実」の麻雀および麻雀界を構築したい、という願いが専門誌ラッシュ、タイトル戦ラッシュにつながったと僕は見ています。
では、なぜそれが「新選組以降」なのか。麻雀新撰組とは麻雀タレント集団でした。
阿佐田哲也氏の感性もあり、組織やルールに縛られない気ままで自由な集団。プレイヤーのキャラクターで人気を博す、言わばショーマンシップに徹したグループでした。
だから既存のアマチュア団体をあっさり凌駕し、麻雀ファンから熱い支持を受けたのです。しかし➆、第三期名人位となった古川凱章氏は、このままではいけないと考え始めた。
麻雀および麻雀界の未来にまで思いを馳せ、⑪ですね、弟子募集→年間順位戦発足に至るのです。「実」即ち「競技麻雀」の実践に踏み切ったわけで、現在のプロ麻雀界の始祖は古川凱章氏であったと言っても過言ではないかもしれません。
(つづく)
▲▲▲ ここまで馬場プロの連載より ▲▲▲
▼ 上記は、月刊「麻雀界」2016年12月1日発売号に掲載された内容です。