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第23回. [本章] 麻雀メディア編 ➁
[更新日:2024/07/30、公開日:2018/01/01]
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月刊「麻雀界」で連載されていた、バビィの新・「プロ論」。以下、「2017年12月1日発売号」の連載内容を特別に掲載させて頂いています。(太字・色づけ等は当サイトにて付与)
▼▼▼ ここから馬場プロの連載より ▼▼▼
動画生配信の先駆け
麻雀メディア新時代、それは即ち映像メディアのことを指します。
今から10年前までは、麻雀の映像メディアといえば、フジテレビさんの「芸能界麻雀最強位決定戦 THEわれめDEポン(以下、われポン)」とMONDO TVさんの「MONDO 麻雀プロリーグ(以下、モンド)」が「二大巨頭」でした。
われポンが芸能人による割れ目東風の徹マン対局。
モンドが麻雀トッププロによる競技ルールのリーグ戦。色分けというか棲み分けもできていた。
そこへ新たに参入してきたのがネット媒体、具体的にはニコニコ生放送さん(以下、ニコ生)です。
ニコ生が配信コンテンツのひとつとして「麻雀」に目を付け、それがプロ麻雀界に大きな影響を与えることになったのであります。
では、ニコ生が麻雀メディアに参入したきっかけは何なのか。
それは、一人の麻雀プロの熱意と行動力でした。
そのプロの名は、元最高位であり、元最強位でもある張敏賢さん。2011年に書いた旧プロ論から、その部分を抜粋、引用させていただきます。
〈2009年10月に開催された第20回麻雀最強戦でニコ生配信の現場を初めて見た張さん。彼はそこで「最高位戦の対局も配信できないものだろうか」と思いつきます。
彼はそのアイデアをすぐに実行に移しました。
映像関係に強い友人たちを集めて撮影スタッフを結成。生配信であるということを考慮してワンデイマッチの対局を企画したのです。
それが「第5期最高位戦Classic 特別公開対局」でした。
スタッフも揃えた、対局のマッチメイクもクリアーした。
残る問題は、この対局をニコニコ動画さんが配信してくれるかどうかです。張さんはさっそく企画書の作成に取り掛かります。
そして仲介者はいたものの、ほとんど「飛び込み営業」同然の形でニコニコ動画を運営するドワンゴ(ニワンゴ)さんの門を叩いたのです。
張さんにとってラッキーだったのは、応対したドワンゴのWさんという方が、麻雀に対して好印象を持っていたことでしょう。
Wさんは張さんの企画書に興味を惹かれ、上層部の会議に諮ってくれました。そしてついにゴーサインが出たのです。
「第5期最高位戦Classic 特別公開対局」のニコ生配信が決定したのでした。
特別対局とはいえ、麻雀プロの対局が生配信されるのは史上初めてのこと。
こうして2010年5月29日、「第5期最高位戦Classic 特別公開対局」はニコ生で配信されました。
総来場数3万人、総コメント数10万件。当時としては驚異的な数字といっていいでしょう。
注目すべきは、コメント数が来場者数の3倍以上あったことです。
これは視聴者の関心が非常に高かったことを表わしています(現在のコメント数はよくて来場者数と同数、むしろ半分以下になることのほうが多い)。
この数字にビックリしたのはニコ生さんでした。そして「麻雀対局の生配信」というコンテンツが確立されることになったのです――〉
張さんはその後、最高位戦を退会。
麻雀プロとしての活動を辞め、(株)RTD を設立して代表取締社長に就任。現在は AbemaTVさんの麻雀番組のプロデューサーとして東奔西走、多忙な毎日を送っています。
今や「麻雀メディア新時代」の、一方の旗頭となった張さんに、こんな質問をぶつけてみました。
――AbemaTV さんの麻雀番組を初めてプロデュースされた際に、予想外に嬉しかったこと、あるいは良かったなあと思われたことありましたか?
張:想像以上に反響が大きかったことですね。以前から各麻雀番組は人気があったので、ひどい事にはならないだろうなと思ってはいましたが、実は内心ヒヤヒヤでした(笑)
AbemaTV では毎日視聴数ランキングが発表されてますが、著名なタレントさんが出ている番組と肩を並べて上位に入っているのを見たときは本当に驚きました!
大きなテーマの一つとして「麻雀のイメージを変える」という事でやってきたので、若い方や女性のファンが増えているみたいなのは本当に嬉しい限りです。
(つづく)
▲▲▲ ここまで馬場プロの連載より ▲▲▲
▼ 上記は、月刊「麻雀界」2017年12月1日発売号に掲載された内容です。