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第31回. [本章] 麻雀メディア編 ➉
▼ 2023年1月に、写真やイラスト満載の『馬場裕一の見た夢』が発売されています!
[更新日:2024/07/30、公開日:2018/09/01]
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月刊「麻雀界」で連載されていた、バビィの新・「プロ論」。以下、「2018年8月1日発売号」の連載内容を特別に掲載させて頂いています。(太字・色づけ等は当サイトにて付与)
▼▼▼ ここから馬場プロの連載より ▼▼▼
新しい麻雀プロの世界
さる七月一七日に衝撃的なニュースがもたらされました。
一般社団法人Mリーグ機構(通称「Mリーグ」)の発足です。ホームページでは次のように書かれています。
〈――麻雀のプロスポーツ化を目的に設立された一般社団法人Mリーグ機構では、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の発足を通じて日本国内においても麻雀の競技化、健全化を図り、麻雀自体の社会的地位の向上及び認知の拡大、新たなファンの獲得を目指します〉
[※当サイトで追記] 「Mリーグ」発足の記者会見では、麻雀好きの人気俳優の田中圭さん&本郷奏多さんのトークセッションも盛り上がりました。
Mリーグには大企業七社が加盟。
それぞれチームを所有し、所属選手はドラフトで指名した現役の麻雀プロ。プロに支払われる最低年俸は四百万円。
さらにリーグ戦の優勝賞金は五千万円と、そのスケールの余りのでかさには、ただただ驚かされるばかりです。
チェアマンにはサイバーエージェントの藤田晋社長が就任。
麻雀業界関係者の四十年に及ぶ悲願、「夢」が、今、目の前で一気に達成されようとしております。
果たして麻雀プロの世界は、どのような変革を見せるのでしょうか。
Mリーグ、そして藤田晋チェアマンの動向に注目です。
関西初のニコ生麻雀チャンネル
「雀サクッTV」の楠田重頼社長へのインタビューの続きです。
対局者の表情を映すために、麻雀卓のまわりに8台ものカメラを設置するという大胆な撮影方法を編み出した楠田社長。
しかし、当然のことながら、それには「お金」がかかります。楠田社長に、金銭事情をお聞きしました。
――費用(経費)は、どう捻出していたのでしょうか。
楠田:放送にかかる費用としては、機材の初期投資と人件費、それから演者さんたちのギャランティといったところでしょうか。
初めての放送はスタジオを借りて、技術者さんに業務委託して行ないました。
演者さんたちには、本当にささやかな、足代程度の謝礼しか出せませんでした。それでも快く協力してくださった麻雀プロの皆さんには感謝の気持ちしかありません。数カ月ほど、外部のスタジオと技術者さんを利用させていただき、放送の技術をうちのスタッフたちに教えてもらっていました。
放送が自前でできるようになれば、麻雀を普及させることに少しはつなげられるのではないか、という思いがあったからです。ですので、かかる経費は広告費だと割り切っていました。
――課金システムを導入するにあたり、工夫しようと考えた企画やアイデアなどはありましたか。
楠田:天鳳位のASAPINに「天鳳位の部屋」という雀サクッTV唯一の有料放送を数カ月やってもらいました。
ただ有料化自体が画質を上げるためだったものですから、画質さえ上がってしまえばこっちのもの的な感じで「天鳳位の部屋」は自然に放送回数が減り、今では消滅してしまいました。
実は雀サクッTVでの有料放送ってほとんど無いんですよね(苦笑)
――なるほど(笑)では、ざっくりでかまいませんので、収入の推移がどんな感じだったか教えていただけますか。
楠田:最初は1万円くらいでしたが、今ではAbemaさんやYouTubeの広告収入などを含めて10万円くらいでしょうか。
――元が取れる、あるいは儲かる(黒字)ようになったのは何か月目からでしょうか。
楠田:番組によってはスポンサーさんからの協賛金で赤字ではない番組もありますが、放送のみで黒字化は、今現在達成できておりません。
――そうなんですか… 月日が経って、改めて俯瞰して見て、課金システム導入の良かった面、反省点、改良点などがあったら教えてください。
楠田:すこしでも収入になるのは、大変ありがたい仕組みだとは思います。
ただ反省点としては、初動の段階でですね、放送事業で収入を上げていくということに、もっと目を向けておくべきだったことでしょうね。
画質を上げるための手段としての課金化だったため、「売り上げを伸ばそう」とか「もっとお金になる放送を」というような、ビジネス的な発想が、うちの放送チームには根本的になかったのですね。
僕自身、無料で流せるほうが視聴者はうれしいだろう、くらいの考え方だったもので…
――最後に、「雀サクッTV」さんは、関西初のニコ生麻雀チャンネルだと思われますが、それは事実でしょうか。
楠田:おそらく間違いないでしょう。
当時は連盟チャンネルとスリアロチャンネルくらいでしか麻雀は放送されていなかったと思います。
放送数も今と比べて少なく、各チャンネルも一週間に一、二回程度しか放送していなかったんですよね。
ファンのために、赤字をものともせず、優良な番組を制作し続ける「雀サクッTV」さんと楠田社長に、改めてエールを送ります。
(つづく)
▲▲▲ ここまで馬場プロの連載より ▲▲▲
▼ 上記は、月刊「麻雀界」2018年8月1日発売号に掲載された内容です。