当サイトのリンクは「広告を含む」ものがあります。
第34回. [本章] Mリーグ編 ➂
[更新日:2024/07/30、公開日:2018/12/01]
バビィの新・「プロ論」目次 へ <<
月刊「麻雀界」で連載されていた、バビィの新・「プロ論」。以下、「2018年11月1日発売号」の連載内容を特別に掲載させて頂いています。(太字・色づけ等は当サイトにて付与)
▼▼▼ ここから馬場プロの連載より ▼▼▼
「賭け麻雀」排除の動き
先日、Mリーグのパブリックビューイング会場に行ってまいりました。
凄い熱気で満席状態。前号で僕は、
チケット代は1ドリンク付きで四千円。このお値段でパブリックビューイングの会場にどれくらいのファンを集められるのか。
Mリーグの将来を占う意味でも、その結果が気になるところであります。
と書きましたが、杞憂に終わった感があります。
せっかくなので、選手の控室にもお邪魔させていただきました。
こんな素晴らしい環境の中で、麻雀プロとして思う存分闘えるなんて、何て素敵なことでしょう。
選ばれし21名のMリーガーの皆さんには、さらなる精進と飛躍を期待したいと思います。
さて、前号の続きです。
Mリーグは発足と同時に「ゼロギャンブル宣言」を掲げました。
東洋経済ONLINEさんの対談で、Mリーグの川淵三郎最高顧問と藤田晋チェアマンがこのように話しています。
藤田: そうですね。特に「賭け麻雀」に関しては、Mリーグにとって本当に最大のリスクというか、存亡にかかわる問題だと思っています。
チームだけではなく、Mリーグ全体が立ち行かなくなる可能性があるので、一切認めない。
発覚したら、選手については即時「除名処分」なのですが、そんなことが絶対に起きないよう、8月7日のドラフトでMリーガーが決まったら、改めてどれほど重大なことか伝えようと思っています。
川淵:そこなんだけれども、除名処分というだけじゃ、甘いなっていうか、弱いなって思った。
除名じゃなくて、たとえば「永久追放」といった表現で、「やったら、もうこの世界にはいられないよ」ということをはっきりとさせたほうがより一層、清廉さが際立つなと。
あの言葉は、もっと厳しく、強くしてほしいなというのが僕の希望です。
※「東洋経済ONLINE」さんより抜粋、引用
【麻雀を「夢ある世界」に脱皮させる深い仕掛け】 藤田晋×川淵三郎「Mリーグ」2トップ初対談! : https://t.co/W2HmPA8LLS #東洋経済オンライン
— 東洋経済オンライン (@Toyokeizai) 2018年8月6日
小島武夫氏が「麻雀プロ」として登場した一九六〇年代後半以降、30年以上に渡って麻雀は「イメージの悪いゲーム」とされていました。
「賭け」と「不健康」が主な要因です。当時の若い女性に麻雀の印象を訊ねると、
夜中に無精髭を生やしたサラリーマンが、ラーメンの丼ぶりに吸殻を捨てるイメージ
と答えたという話もあります。
当然そこには札束が飛び交うような映像も浮かんでいたことでしょう。
麻雀にまったく関係ないところで、イメージが悪化していったのです。
こういう世間一般の偏見に対して、麻雀プロ側も動き始めました。
たとえば井出洋介氏は、所属団体を抜けて新たに「麻将連合(マージャンレンゴウ)」を設立。
「麻雀連合」ではなく、なぜ「麻将連合」なのかというと「麻将」という文字に「賭けない」という意味合いを込めたからです。
それだけでなく井出氏は「賭けない・吸わない・飲まない」を旗印とする「健康麻将(ケンコウマージャン)」の推進にも尽力。
さらにMONDO TVを始めとする映像対局、ネットやアーケードの麻雀オンラインゲーム、麻雀荘の安全性のシステム化etc…麻雀プロや業界関係者、メディアの努力によって、二一世紀を迎えた段階では、麻雀のイメージはひと昔前に比べて格段に向上していたのです。
個人的には井出氏と並び、MONDO TVの果たした役割は大きいと思っています。
特に女流モンド杯の設立は、多くの人気女子プロを産み出し、麻雀のイメージアップに貢献しました。
しかし、企業がスポンサーになるには、まだまだでした。
その厳しい現実を突き付けたのが、Mリーグなのであります。
元近代麻雀の編集者で、プロ麻雀界ウォッチャーとしても知られている秋義紀氏は、自身のブログでこう綴っています。
このMリーグ構想、まず驚いたのが、リーグ選手の賭博行為を禁じ、関係が判明した場合には解雇などの厳重な処分を科すという「ゼロギャンブル宣言」の発表でした。
(中略)Mリーグに所属した時点で、友人たちとの賭け麻雀はもちろん、そういった雀荘業界側との仕事の関わりも一切断つように命じているわけです。
程度の差はあれど、プロ団体は雀荘業界とは持ちつ持たれつです。特に最近は、女流プロの活躍が顕著となったことで、雀荘側が女流プロを専属として勤務させる事例も多くなり、大会やイベントの開催、動画コンテンツの配信などをプロデュースすることで、結果、麻雀プロの売り出しにも一役買っていました。
しかし、このフリー雀荘の営業システムと麻雀プロとのうやむやな関係が、一般企業からスポンサーを受け入れるのに大きな障壁となっていたのも事実です。ついに藤田社長は、長年存在していたこの問題にメスを入れたのです。
>> 秋さんのブログ記事:「Mリーグ」は誰のための機構なのか?
(つづく)
▲▲▲ ここまで馬場プロの連載より ▲▲▲
▼ 上記は、月刊「麻雀界」2018年11月1日発売号に掲載された内容です。